アデニウム
Adenium
アデニウム

「Desert Rose(砂漠のバラ)」と呼ばれる多肉植物。
アフリカやアラビア半島の乾燥地帯に自生し、
根(塊根)や幹に水分を蓄えて、厳しい環境の中で生きる植物です。
春から秋に咲く花はバラのように美しく、株には個体差があり、
コレクションアイテムとしても人気です。

基本の育て方

How to grow the basics

 アデニウムの原産地の砂漠は、日がよくあたり、空中湿度が低く土壌もとても乾いた環境です。風通しがよく、日当たりのよい場所で育てましょう。春から秋までは屋外で日光にたっぷりとあてます(1日6時間以上)。
 桜が散った頃から新芽が出てきます。花期は4~9月。梅雨明け頃の夏が生長期となります。夏の間も屋外でしっかりと直射日光にあてます。秋までは雨ざらしにしても大丈夫です。
11月~3月は室内に取り込み、窓辺など日当たりのよい場所で管理します。冬越しの最低温度は5~7℃。冬は落葉します。冬、室内で管理するときは株全体に日光があたるよう、2~3日に1回、鉢を回すとよいでしょう。

植えつけと水やり

Planting and watering

 アデニウムは水はけのよい用土を使いましょう。多肉植物・サボテン用に配合された培養土が適しています。
 水やりは基本的に土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。生長期の夏は水を多く求めるため、屋外で雨ざらしにして管理し、土の表面が乾いてきたら水を与えるとよいでしょう。ただし、水分が多すぎると根腐れを起こします。水やりは適度に行いましょう。夏のみずやりは朝か夕方の涼しい時間帯に行います。
 冬期は休眠期に入るため水やりはせず、断水します。冬に落葉しますが、春、気温が上がると徐々に葉が出てきます。春先に気温が上がり安定してきたら水やりを再開します。
 肥料は5月から10月まで、2週間に1回、液体肥料を与えましょう。

植え替えと株分け

Replanting and stock splitting

根元が太くて土が見えなくなったり、鉢の底から根が出ているなど株が窮屈な状態になったら、植え替えを行いましょう。
 植え替えの適期は4月~8月です。植え替える数日前から水を切り、土を乾燥させて状態で行いましょう。アデニウムは根がよく伸びるので、1~2年に1回を目安に植え替えを。
 植え替えのときに株分けも可能。また、5月~6月にさし芽(葉ざし)、さし木で増やすこともできます。ただしさし木で得た新しい株は、茎の部分がふくらみにくくなります。

トラブル対策(根腐れ、病害虫)

Trouble shooting

 多肉植物のアデニウムは水分が多いと根腐れになりやすいので注意しましょう。根腐れした株は、枝がしわしわになり、ふにゃふにゃした触感になります。根腐れのおもな原因は、(1)水の与えすぎ、(2)寒さにあたってしまった、(3)日光不足の状態で水を与えた、です。
 根腐れした株は鉢から抜き、空洞になり枯れた枝を切り、黒く変色した根も切ります。その後、切り口は殺菌剤で消毒し、よく乾かしてから、新しい土で植え替えましょう。
 病害虫は、アブラムシやカイガラムシがつくことがあります。虫を見つけたらすぐに、不要になった歯ブラシなど払い落としましょう。早めに対処することが大切です。